2011年3月11日(金) 14:46:18,三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起きた. 地震の規模を示すマグニチュードは 9.0. 日本国内観測史上,最大の地震だった. ▼船橋市立湊中学校(船橋市日の出1丁目)の防球ネット柱は,地震のために倒壊寸前の状態となったため解体された.
東北地方太平洋沖地震は,遠く離れた関東地方でも大きく揺れた. 千葉県で震度 6弱, 東京都心で震度 5強を観測した. 船橋市立湊中学校(船橋市日の出1丁目)にも,大きな被害が出た. 
湊中学校の校庭には東西に亀裂が入り,砂混じりの海水が吹き出した. 地震の揺れにより,液状化が発生したのだ. 湊中学校近隣の自治会長の誘導で,市民が湊中学校(屋内収容人員数 2400人/3週以降 857人)に避難してきたが,その後校長が湊中学校体育館では危険と判断し,さらに湊小学校に避難した. 
船橋市は,かつての天然ガスや船橋ヘルスセンターの温泉くみ上げ過ぎにより地盤沈下してしまった. 特に船橋市湊周辺はゼロメートルに近い地域もある. 船橋市日の出や船橋市湊周辺には,大勢の市民が避難できる施設は湊中学校くらいしかない. 
3.11 以前の想定では,東京湾内においては地震による津波の影響は考えなくともよいとしてきた. だが実際には,東京湾最奥部となる船橋漁港の堤防などの形跡から 2.8m の津波だったことがわかっている(公式な記録では 2.4m). 
今後予測されている南海トラフを震源とする東海地震(静岡近辺),東南海地震(奈良三重沖),南海地震(四国高知徳島沖)による3連動地震(M9.1)の想定では,それぞれの地震の津波が加算されることから,東北地方太平洋沖地震を超えるとされている. 船橋漁港では,3m を超える可能性も出てきた. 
津波の場合,数十分から1時間以内に高い場所に避難しなければならない. しかしながら,その避難場所の施設が地震に弱ければ,二次災害になりかねない. だが,年寄が湊小学校や船橋市役所まで逃げる時間はない... .
1968年(昭和43年)に新築した湊中学校体育館の Is値(構造耐震指標)は 0.33 しかなかった, 1960年(昭和35年)に新築した3階建ての普通特別管理棟の Is値はそれよりも低かったものと思われる. いずれも,1981年(昭和56年)以前に建築した旧耐震基準以前の施設だ. 
Is値が 0.3 以下であると,震度6強で倒壊のおそれがあるため,避難所には使えない. 体育館は,すでに耐震補強ずみだが,海抜が低いため,津波の避難場所には使えない. 
そのようなことから,湊中学校は改築を行うことになった. その他にも,前原中学校,船橋小学校も,耐震化と老朽化のために改築を行う. 船橋市は,2015年度(平成27年度)までに校舎耐震工事を完了させる. 
湊中学校は,すでに仮プレハブ校舎に引っ越しをおこなっていて,旧校舎の解体をおこなっている. 新しい校舎は,3 階建てから5階建てになり,太陽光発電設備も設置される.
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