首都東京と千葉を結ぶ京成本線は,1912年(大正元年)曲金駅(現在の京成高砂)-伊予田駅(現在,江戸川駅)間が開通,1915 年(大正4年)に押上駅-京成中山駅間が開通した. 市民の交通手段として,今でも重要な役割を担っている.
京成本線は,船橋市内の海神駅-京成船橋駅-大神宮下駅-船橋競馬場駅の 2.47Km の区間が連続立体交差化(通称,連立)され,16箇所の踏切が完全になくなった. 同じように,京成押上線でも,四ツ木駅-青砥駅間の 2.6km の京成押上線立体交差事業を 2012年3月31日完了予定で進めていたが,2017年3月31日まで5年間延長する申請をしている.だが,土地取得の見込みがあるわけではなく,無期限延長に等しい.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のA案(左). ▼京成本線市川市連続立体交差事業のB案(右).
その一方で,京成本線市川連続立体交差事業も進んでいない. 市川市の央部を横断している京成本線の,国府台駅-市川真間駅-菅野駅-京成八幡駅-鬼越駅-京成中山駅の 4.384km の区間には,30箇所の踏み切りがあり,1日あたりの自動車通過台数 7万7302台,自転車台数 6万1686台,歩行者数 6万2879人が通過している. 渋滞による公共交通機関(バス)の遅れだけでなく,踏み切り内でクルマが身動きできなくなって重大事故も起きている.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のC案(左). ▼京成本線市川市連続立体交差事業のD案(右).
だが,連続立体交差事業の方式すら決まっていない. 沿線住民は,騒音や振動,日当たり,景観などを理由に京成本線の地下化を望んでいる. 連続立体交差事業には,多額の建設費用がかかる. 国からの補助金が不可欠となる.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のE案(左). ▼京成本線市川市連続立体交差事業のF案(右).
連続立体交差事業にかかる費用負担にはルールがある. 高い公共性から,鉄道事業者の負担は総額の 10% におさえられている. 残りの 90% の 1/2 (45%)を国庫補助金,千葉県が 30%,市川市が 15% の負担となる. だが,国が出せる補助金は,高架橋式が基本となる. 地下方式を選択した場合は,その費用増加分は市川市の持ち出しとなる.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のG案.
A案の全線高架化で 556億円,B案の全線地下化で 978億円と試算されているため,その差額は 422億円となる. 市川市は,千葉市のようなひどい赤字自治体ではないが,市川市が払えるような金額ではない. 市川市がおこなった市民へのアンケートでも,A案の全線高架化方式を選択する市民が最も多かった. これに対して,沿線住民は「説明が不足していたからだ」と,この結果を受け入れていない.
▼京成本線菅野駅前の踏み切り.
地下方式で金額が高くなる理由は,外かん道路を市川市民の強い要望で半地下化したためだ. そのため,地下化方式の場合,外かんの真下に菅野駅を造ることになる. そのようなことから,京成本線市川連続立体交差事業は,A案の全線高架化方式と,F案の地下高架化併用方式に絞られつつある.
▼京成本線菅野駅. ▼地下方式の場合,この菅野駅を地下30mに作ることになる.
だが,別の視点での異議をとなえる市民もいる...
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京成本線は,船橋市内の海神駅-京成船橋駅-大神宮下駅-船橋競馬場駅の 2.47Km の区間が連続立体交差化(通称,連立)され,16箇所の踏切が完全になくなった. 同じように,京成押上線でも,四ツ木駅-青砥駅間の 2.6km の京成押上線立体交差事業を 2012年3月31日完了予定で進めていたが,2017年3月31日まで5年間延長する申請をしている.だが,土地取得の見込みがあるわけではなく,無期限延長に等しい.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のA案(左). ▼京成本線市川市連続立体交差事業のB案(右).
その一方で,京成本線市川連続立体交差事業も進んでいない. 市川市の央部を横断している京成本線の,国府台駅-市川真間駅-菅野駅-京成八幡駅-鬼越駅-京成中山駅の 4.384km の区間には,30箇所の踏み切りがあり,1日あたりの自動車通過台数 7万7302台,自転車台数 6万1686台,歩行者数 6万2879人が通過している. 渋滞による公共交通機関(バス)の遅れだけでなく,踏み切り内でクルマが身動きできなくなって重大事故も起きている.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のC案(左). ▼京成本線市川市連続立体交差事業のD案(右).
だが,連続立体交差事業の方式すら決まっていない. 沿線住民は,騒音や振動,日当たり,景観などを理由に京成本線の地下化を望んでいる. 連続立体交差事業には,多額の建設費用がかかる. 国からの補助金が不可欠となる.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のE案(左). ▼京成本線市川市連続立体交差事業のF案(右).
連続立体交差事業にかかる費用負担にはルールがある. 高い公共性から,鉄道事業者の負担は総額の 10% におさえられている. 残りの 90% の 1/2 (45%)を国庫補助金,千葉県が 30%,市川市が 15% の負担となる. だが,国が出せる補助金は,高架橋式が基本となる. 地下方式を選択した場合は,その費用増加分は市川市の持ち出しとなる.
▼京成本線市川市連続立体交差事業のG案.
A案の全線高架化で 556億円,B案の全線地下化で 978億円と試算されているため,その差額は 422億円となる. 市川市は,千葉市のようなひどい赤字自治体ではないが,市川市が払えるような金額ではない. 市川市がおこなった市民へのアンケートでも,A案の全線高架化方式を選択する市民が最も多かった. これに対して,沿線住民は「説明が不足していたからだ」と,この結果を受け入れていない.
▼京成本線菅野駅前の踏み切り.
地下方式で金額が高くなる理由は,外かん道路を市川市民の強い要望で半地下化したためだ. そのため,地下化方式の場合,外かんの真下に菅野駅を造ることになる. そのようなことから,京成本線市川連続立体交差事業は,A案の全線高架化方式と,F案の地下高架化併用方式に絞られつつある.
▼京成本線菅野駅. ▼地下方式の場合,この菅野駅を地下30mに作ることになる.
だが,別の視点での異議をとなえる市民もいる...
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