「怠け者はいねがー,泣く子はいねがー」と練り歩く伝統民俗行事が,秋田男鹿のナマハゲ(生剥げ)だ. 古くからの民俗行事だったナマハゲ(鬼)と神事の柴灯祭(せどまつり)が合体して現在のなまはげ紫灯祭となっている. 1978年(昭和53年)には,国の重要無形民俗文化財に指定されている.
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「ウオー!」という奇声と共に家に乱入し暴れまわるが,男鹿(北浦真山地区)のナマハゲはやたらと動き回るだけでははなく独自のしきたりがある. まず家に上がり,シコ(四股)を7回踏んでから家の中を歩き回る. 家の主人はもてなしのお膳を添え,ナマハゲはお膳に座る前に5回シコを踏む. 再び立ちあがり3回シコを踏みまた歩き回る. 「七・五・三」となっている.
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鬼気(キキ)や鬼哭(キコク),鬼畜(キチク)など,怖い,強い,悪いというの意味でオニの言葉が使われている. だが,男鹿のナマハゲは悪いオニではなく,怠け者をこらしめ,穀物が豊かに実ることを祈る良いオニだ. 日本で,一般的に言い伝える凶暴で野蛮なイメージのオニとは大きく異なる.
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この秋田男鹿のナマハゲが,東京千代田区にやってきた. 秋田県観光キャンペーンのけけけ秋田祭りにやってきたたもので,2013年9月27日(金) - 9月29日(日)の日程でおこなわれた. JR東日本も,秋田デスティネーションキャンペーンを展開している. キャンペーン名にもなっている「」は,秋田弁では複数の意味があり,よくつかわれる. 「こっちにけー」は「こっちにおいで(来て)」,「これけー」は「これ食べて」,「ここけー」は「ここがかゆい」といった具合だ.
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オニは牛のような角(角のないオニもいる),虎のような牙,虎の皮のふんどしとミノを身に付けた姿で描かれる. 妖怪や幽霊であるとか,わざわいをもたらす目に見えない隠れた人の心を具現化したものであるとか,このオニが何者なのかがよくわかっていない.
東京国際フォーラム地上広場でおこなわれた,ネオ屋台村スーパーナイト秋田けけけ祭り前夜祭.
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秋田男鹿のナマハゲは,欧米のハロウィン巡りに少し似ているかもしれない. 中国では,死者の霊(先祖の霊)をオニと言うこともあるが,日本のオニのイメージとは異なる.
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オニは空想上の化け物や怪物なのだろうか. それとも,オニは実在していたのだろうか...
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